ポイント
必須業務を取り込むことでホームページへ強制的に誘導するという方法もある。
前回に引き続き、他社が自社ホームページをどう活用しているのかをいくつか紹介していきたいと思います。
活用例⑤ 納期案内の簡略化
装置部品の製造業を行われているM社様では、依頼された部品の生産が完了すると毎回電話でお客様へ連絡して引渡日を決めていましたが、電話だけだと記憶違いなどで揉めることもありました。
また、お客様が不在で連絡が取れないことも多く、何度か電話した後に結局FAXを送ることになり、面倒に感じることもありました。
そこで、納期案内を思い切ってホームページで行うことにしました。
生産が完了した時点でホームページに案内情報を掲載し、お客様自身で確認してもらうことにしたのです。
お客様からの不満の声はある程度覚悟していたのですが、スマートフォンが普及しているからかクレーム等はほとんど発生せず、むしろどこにいても確認できるので便利との反応が出たほどでした。これにより、M社様は納期案内にかかっていた時間を大幅に削減することができました。(お客様の都合に合わせず、生産完了と同時にホームページに案内を掲載するだけでよくなった為です)
また、副次的な効果として、お客様が習慣的に自社ホームページを見てくれるようになったことです。試しに、設備稼働率が下がる時期に合わせてホームページで「短納期対応可」という案内を流すと、それに合わせて発注してくださるお客様もいました。
お客様などに「ホームページを見なければならない理由」を考えることは重要であり、M社様のように必ず必要になる業務を組み込むという手段も考えてみてよいかもしれません。
但し、全てこのようにいくとは言えませんので、やりすぎは注意です。お客様の反応を見ながら徐々に進めるようにしましょう。
また、余談ですがM社様はこの後更に「ホームページによる納期案内業務」を進めています。
具体的には、最初は単にホームページ上に「○○様、△△の生産が完了しました」という風に掲載していたのですが、そうするとどのお客様で何を作ったのかが誰でも見れてしまう状況だった為、お客様毎にIDとパスワードを渡してログインしないと確認できないようにしました。
また、お客様自身で確認したかどうかと、引渡日をいつにしたいかを入力できるようにし、更に業務の効率を高められています。最近ではIoT技術を用いて、生産設備の稼働状況を収集し、進捗状況を自動的にお客様へ案内する仕組みも進められています。もちろんそれなりの投資も必要となる為、そこまでする価値があるかどうかを考えながら進めましょう。